食事は寿命に影響する。健康のためにも、食生活を見直そう!

日本では、日本食を無形文化遺産にしようという動きが高まっています。食事の欧米化が進む中、このように日本食が見直されようとしているのはなぜでしょうか?
肉を中心とした食事、パンやパスタなどの小麦を中心とした食事、それにファーストフードといった食事は、手軽で簡単に調理ができ、なおかつおいしいですよね。忙しく働く人にとって大変魅力的です。しかし、こういった食事が私たち日本人にどう影響しているかご存じですか?そして今、日本食が世界から注目されているのはどうしてなのかを考えてみましょう。

日本食の特徴

日本食といえば、白米に魚料理、煮物に味噌汁、お漬物などを思い浮かべる人が多いでしょう。日本食は、主食・主菜・副菜・汁物といった一汁三菜が特徴です。これが「長寿食」または「健康食」と言われているカギとも言えます。海外では、食生活を日本食に変えることで、寿命が延びるという考えを持つ人もいるようです。
日本食は、野菜や豆類が多く、食物繊維が多いというのが特徴です。これにより、便通が良くなり、腸内環境が整われるのです。そもそも日本人の腸は、欧米人に比べて長いと言われています。これは、昔から食物繊維や穀類を中心とした食事を摂っていることから、栄養分や水分をしっかり吸収するためと言われています。肉類を中心とている欧米人より、小腸と大腸合わせて2~3メートル長いと言われています。そのため、食物繊維が欠けてしまうと、欧米人に比べて便秘なりやすいと考えられているのですね。
そして、主菜は魚中心が多いというのも特徴の一つです。動物性脂肪を多く摂取すると、動脈硬化を進める要因となります。魚に含まれるEPAやDHAは血液をサラサラにし、脳にも良い影響を与えます。日本食は、食物繊維やたんぱく質を摂りながらも脂質を抑えた食事といえます。そのため、体に良いと言われているのですね。

日本食が「長寿食」と言われる理由

日本食を摂ることで寿命が延びるという考えが持たれる理由を、‛一汁三菜’に合わせてみてみましょう。

【一汁】

一汁とは、味噌汁などの汁物のことですね。味噌は、大豆を発酵させた食品です。発酵食品には味噌の他に、醤油・みりん・日本酒などがありますが、この発酵食品には、消化や免疫力を高め、血行や排泄を促進する生きた酵素を多く持っています。これらにより、がん予防、老化予防、コレストロールの抑制などの効果が得られると考えられています。活性酸素を除去する酵素は体内でも作られますが、加熱によって壊れやすいのが特徴です。日本食は加熱しない料理が多いので、生きたままの酵素を摂取する機会が多いのです。

【三菜】

三菜からは、主菜から魚系、副菜・副々菜から野菜系や大豆系を摂取します。
魚系からは、動物性のたんぱく質が取れます。肉と同じくらいのたんぱく質が得られ、なおかつ肉に比べて低エネルギー。そして、脂質も肉に比べてずっと低いのです。調理方法も、生で食べることができ、焼き魚や煮魚など、油を使わずに食べられることから、栄養はしっかり摂れて低エネルギーといった、優れたダイエットフードともいえます。
野菜系・大豆系では、がん予防、便秘予防など多くの疾病予防が期待できます。特に野菜においては、朝に色の濃い緑黄色野菜を摂取することで、紫外線でできる活性酵素から守る働きが得られると言われています。
このように、主菜からは動物性タンパク質を、汁物、副菜と副々菜からは各種ビタミン、ベータカロテン、食物繊維、ポリフェノール、タンパク質などが摂れます。その他、お漬物などの香の物は発酵食品であることが多く、これらからビタミンB1や乳酸菌など、老化予防に欠かせない抗酸化物質も摂ることができるのです。
その他、食事の際に摂取する水分においても、日本といえば緑茶が代表的ですが、この緑茶にも長寿の秘訣があります。緑茶には、カテキンという物質が含まれているのですが、これが血圧を下げる役割を果たします。その他、脂質や体脂肪を調整する働きも期待できるというのです。カテキンには殺菌作用もあり、風邪の予防として緑茶でうがいをすると良いという話しも聞かれています。そして、カフェインは血管や呼吸機能の働きを良くする可能性があるとされています。緑茶を積極的に摂取することで、心疾患・脳血管疾患・呼吸器疾患・癌などさまざまな疾患予防効果がもてると考えられているのです。

変化した食生活

今日問題とされているのが、生活習慣病。その原因として大きく取り上げられているのが食の欧米化です。先にも述べたように、魚より肉食が多くなり食物繊維の摂取が減少していること、ファーストフードの普及もあり油分を多くとる機会が増したことなどから、子どもでも肥満や糖尿病といった病気を患う子が出てきています。筋肉や骨格、脳の発達成長を促進させなければならない子どもたちが、病を患うというのは大変大きな問題といえます。こうした背景には、家庭においての食生活の変化、食に対する教育、核家族化などさまざまな要因があると考えられます。

さいごに

寿命が長くなる、医者いらずとも言える日本食。高栄養、低カロリー、疾病予防に効果的など、多くの期待が得られる食事であることをもっと多くの人に知ってもらい、ぜひ積極的に日本食を取り入れて食卓に並ぶといいですね。

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