少しずつ秋から冬へと移行するこの季節、気温が下がり、湿度も乾燥してくることで気になるのが風邪ですよね。中でも流行性のインフルエンザやノロウィルスなどの感染症は懸念されます。うがいや手洗いなどの予防対策をしっかり行うことで回避したいところですが、もっと効果的に予防するために、免疫力も高めていきたいですね。
免疫力を高めるためには、規則正しい生活や食生活を整えること、精神面でも明るく保つことなどが挙げられますが、このほかに、トレーニングで体を鍛えるという方法も効果的です。今回は、どのようなトレーニングが免疫力を上げるのに効果的なのか紹介していきます。
❙運動効果がもたらす免疫力への影響
適度な運動は、身体の各器官や筋肉、血管などに刺激を与え、健康促進に効果的です。どのように働きかけているかというと、活動をするためにはエネルギーを燃やすのですが、そうすることで、全身に酸素が必要になってきます。この酸素を運ぶために心臓がより働き、ポンプ作用で血液が全身に多く運ばれます。これで血行が良くなり体も温かくなってきますね。ほかにも、リンパ球が活性化されます。このリンパ球は、多くの種類がありますが、主に体外から入ってきた異物（ウィルスや細菌など）を退治する働きをするので、免疫力には欠かせないものです。
また、精神の健康も免疫力に大きく影響します。落ち込んだり心配事が多くあったり、活気がなかったりすると、免疫力も下がります。運動を楽しく行うことができれば、免疫力を高めるのに効果的ですし、ストレスの解消にもつながります。
❙免疫力ＵＰのための効果的な運動
体を鍛えるだけでなく、免疫力を高めることに注目した運動にはどのようなものがあげられるかご存知ですか？様々な運動がある中で、効果的なものとは一体どのようなものでしょう。
一番におすすめしたいのが「有酸素運動」です。呼吸をしながら運動することで、多くの新鮮な空気を体に運ぶことができ、それにより免疫細胞を活性化させることができます。免疫細胞の中でも、「ナチュラルキラー細胞」（以下ＮＫ細胞）を活性化させることが分かっています。このＮＫ細胞は、癌細胞を攻撃・消滅させるという特徴があります。
また、適度な筋力トレーニングを加えることもさらに効果をあげるでしょう。筋肉量が増えることで、基礎代謝が増えます。基礎代謝が増えれば、体の体温も上昇します。この体温上昇がポイント。体の温度が上がれば、免疫力も上がってきます。最近では、低体温の人が増えていますが、これは大変危険なことです。というのも、人間は、体温を36～37度を平熱としています。この体温、１℃下がると免疫力が30％以上下がると言われています。理由として、体温コントロールは自律神経によって成り立っていますが、自律神経の働きが崩れ、交感神経が優位となるとリンパ球が減るといったことが起きるのだそうです。現在の若者は、平熱を35℃代となっている人が増えています。この状態は、免疫力がかなり落ちていることが示唆されます。また、癌細胞は低体温を好むとも言われています。筋肉に軽い負荷を与え、筋肉量を増し、体温を上げていくことは、免疫力を上げるのに効果的なのです。
❙免疫を上げるのに効果的な筋力トレーニング方法
具体的にどのようなトレーニングをしていけばよいか紹介します。
まず注意しなければならないのは、２時間以上運動をするのはやめましょう。これでは、筋肉を損傷したり疲労を起こし、逆効果となってしまいます。長時間トレーニングを行うことは、免疫力を逆に下げてしまいますし、回復するのに１週間以上もかかると言われていますので気を付けましょう。
まずは、２～３日に１回程度でよいので、軽い筋トレで筋肉量を徐々に増すことが効果的です。ジョギング、ウォーキング、サイクリングといった有酸素運動を取り入れたものが効果的で負担もなく良いとされています。筋トレには、スクワット、腕立て伏せ、腹筋運動（上体起こし）が有効で、回数は、５回を１セットとし、２・３セットから始めてみて、少しずつ回数を増やしていくと良いと思います。ほかにも、雨の日自宅で簡単に出来るのが、ストレッチです。背筋をゆっくり伸ばしたり、首を回す、もう少し本格的なものではヨガも効果的です。ヨガは、適度な筋力を使いながら、呼吸法を取り入れ、リラクゼーションも兼ねているので検疫力を上げるには最適です。また、トレーニングに疲れたときは、ただ深呼吸をする、これだけでもリラクゼーションにより免疫がアップします。
どれもみなさんが経験したことのある、一般的な運動でしょう。難しい運動ではありませんが、キツイと感じる方は、できる範囲で始めていきましょう。
さいごに
以上のように、免疫力を上げることの大切さを理解いただけたでしょうか？また、免疫力を高めることはそれほど難しいことではないと思います。今のライフスタイルを大きく変えることなく免疫力をアップできれば、簡単に生活に取り入れることができますし、楽しく継続して行うことができると思います。この冬病気に罹らずハツラツした生活を送るために、少しこれらを意識して生活に取り入れてみてはいかがですか？
