【心の健康管理】日常生活の中で、私たちにできる心のケア

健康を維持・増進するために、みなさんはどのようなことが気になりますか?食事、睡眠、精神面、運動など多岐に渡って気になることがあると思います。健康と言うと、まずは身体的なことが思い浮かびますね。しかし、健康で大切なのは身体面だけではありません。精神面も大きく影響してきます。昔から、‛病は気から’と言いますよね。精神バランスが崩れると、身体のバランスも崩れるのです。
近年、この精神面(メンタル)バランスを崩し、悩む人々が増加しています。その原因はどのようなことが挙げられるのでしょう?私たちの生活がどのように精神に影響し、生じた症状からどのようなことが考えられるのか、そして、このような社会でどううまく生活していけばよいのか考えてみたいと思います。

社会の変化が及ぼすメンタルへの影響

日本は、戦後の社会情勢の変化から高度成長期へと移行しました。情報社会・コンピューターの普及・高齢化社会・学歴社会…。社会は豊になり、私たちは自由な時間を手に入れることができ、生活や職業も自分で選択できるようになりました。これに反映して、精神的に不安定となる若者が増えています。社会背景は、人々の精神面に大きく影響します。モラトリアムや引きこもり、パラサイトと呼ばれる消極的な人生を歩む若者が増加しているのです。このような若者は、社会的ストレスにさらされることを恐れ、社会からの刺激からなるべく避けるような生活を選択し、心のバランスを崩し、挫折しやすくなっているのです。
将来を担う若者のメンタルが弱っているのは大きな問題です。しかし、若者だけでなく、幅広い世代の人々の精神面が不安定となっているようです。世の中に、パワハラ、モラハラといった言葉が多く聞かれ、テレビではいじめや殺人といった恐ろしいニュースも多くみられるようになりました。社会は私たちの生活に金銭的・物質的・政治的・教育など様々な影響を及ぼし、それらの原因が複雑に絡み合って、精神面に大きな影響を与えています。今、コミュニケーション、リレーションシップに関する問題は日常化され、つねに取り巻かれる状況にされているのです。

メンタルヘルスとは

 ‘メンタルヘルス’という言葉をよく耳にするようになりました。職場でこの研修を受けるところも多くなっています。カウンセラーも増えてきました。メンタルヘルスとは、簡単に言うと‛心の健康’のことを言います。複雑な人間関係や過重労働などから、心のバランスを崩し、精神の安定が図れなくなった人が増えているために、さまざまな問題が起こっています。心の安定を図り、活気ある職場を、豊かな生活を送る、そういったことを目的として社会ではいろいろな取り組みがされています。

強い心を持つために意識すべきこと

 自分に自信をもって、前向きでいきいきとしている人って輝いて見えますよね。うらやましくもあり、憧れでもあり…。そんな人に近づけたらいいな~と思ったことはありませんか?くよくよ小さなことに悩んでネガティブに捉えがちでいると、なかなか前を向けません。そういう心では、本当はできるのに不可能にしてしまう、もったいない人生になってしまいます。少しでもメンタルを強くしていけたら、日常生活がらくになるかもしれません。心が健康でいる人は、いくつかの特徴があるようです。それらを知り、少しづつ違った自分に変化していけたらいいですよね。
 では、どのような特徴があるのか、最近の書籍やネットで見られているものを、いくつかピックアップしてみましょう。

・気持ちがいつも安定しています。

 怒ったり悲しんだりする精神状態だけではなく、喜怒哀楽すべての波が穏やかであります。感情が激しく揺さぶられずに安定しているため、その場の感情で物事を決断して行動することはなく、冷静に判断することができます。これは、嬉しいことを喜べないとか、冷酷な人間とかそういったこととは違います。また、起こった出来事に鈍感だとか、人に対して無関心なわけでもありません。感情はありますが、揺さぶられずに一定を保つようにするのです。そして、周囲の感情や起こった出来事に振り回されないように心がけます。

・何でも人のせいにしない。

 ‘失敗も成功も自分で決めたこと’と受け入れ、自分の決断に責任を持ちます。人のせいにしてしまうと、恨みや妬みなどからネガティブな方向に気持ちが傾きます。すべての結果を自分のものとして捉えましょう。

・起きた出来事を個人的に捉えない。

 たとえば、隣に座っていた人がおもむろに席を変えて離れた場所に座った、こんな時‛もしかして私、何かした?’と思ってしまうことありませんか?または、友人が無愛想に感じて‛私気づかないうちに彼女を怒らせてしまったのかも…’と不安になったり。こういうことって普段の生活で経験したことがありますよね。
 でも、これってただ単にその人にとって席を変えた方が都合よかったのかもしれないし、友人は疲れていたり、別のことを考えていたりしただけかもしれない。自分にはまったく関係ないことなのに、つい‛自分のせいでは?’と個人的に捉えてしまう。しかし、相手が何を考えているかなんて分かりません。そんなことをいちいち考えていては疲れてしまいます。余計な心配はしない、少しゆったり構えるよう心がけてみましょう。

・習慣的な睡眠不足はしない。

 心の健康を保つために、睡眠はとても重要です。精神疾患患者のケアにあたる医師も、患者さんが睡眠をしっかりとれているのかを必ずチェックします。睡眠不足が精神に及ぼす影響は大きく、精神が正常に働かず、不安感を増強し、うつ病などの重大な疾患を招く原因となります。仕事が忙しい、試験がある、この社会情勢のなかで睡眠時間を確保するのが難しいと思います。しかし、精神バランスが崩れては仕方ありませんよね。夜はリラックスする時間を意識してとり、良質な睡眠をとるよう心がけましょう。

・自分ではどうしようもないことにエネルギーを費やさない。

 急いでいるのに渋滞にはまってしまったり、起きてしまった事故やミス、これらは自分の力ではどうにも変えることができません。それを引きずっていても仕方ないことです。世の中、自分ではどうすることも出来ないことってたくさんあります。それを‛どうにかしよう’ということにエネルギーを費やしても意味がありませんものね。大切なのは、起きたことに対してどうするかを考える。そのことに時間を費やしましょう。

 以上5つのポイントをあげてみましたがどうでしょう?自分にあてはまるものって結構ありませんか?冷静な時はつまらないことだと思えても、感情的になっているときはコントロールするのが難しいですよね。しかし、自分にはどういった傾向があるのかを知るだけでも、今後気を付けるきっかけとなり、感情をコントロールしやすくなります。
 このポイントはほんの一部で、この他にも最近ではメンタルが強い人の特徴を取り上げている本や話題が多くあります。知識を高め、自分を知ることで穏やかな感情となり、対人関係が良好に保てるようになるでしょう。そうすることで、コミュニケーションをとることに積極的となり、日常生活が明るく有意義なものになると思います。ぜひ、心がけて健康な心を保っていきましょう。

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