昔から各国でさまざまなお茶が好まれ、多くの人が日常で飲まれていますね。近年、コーヒーが人気となり、世界でブームとなっています。森永乳業が、「朝の飲料」をテーマとして調査を行った結果、世界でコーヒー派の方が多いことが分かったと報告しています。今やお茶よりコーヒーを好む人が多くなってきています。
しかし、お茶が健康に良いという理由を知ったらどうでしょう?お茶が私たちの体に与える影響は、とても多いと言われています。お茶をもっと知って、日常生活に上手に取り入れていけたら、健康への手助けとなるかもしれませんね。
お茶の種類
お茶というと、日本代表である‛緑茶’をイメージする方が多いかと思います。しかし、その他にも種類はたくさんありますね。まず、お茶とは何か、考えてみましょう。本物のお茶は、カメリア シネンシスという特定の植物に由来しているそうです。緑・黒・白・烏龍の4種類しかないと言われています。最近話題のハーブティーは、さまざまな植物を混合しているため、厳密にはお茶とは言えないそうです。
お茶の成分
お茶には健康を維持・増進するのに役立つ成分が多く含まれています。特に緑茶には、健康効果を表すカテキンが多く含まれます。カテキンは、ポリフェノールの一種です。この緑茶に注目して、どのような成分があるのかまとめてみます。
まず、カテキン。これはお茶の渋み成分です。これの他に、カフェインも渋み成分です。テアニンはうま味成分です。ビタミン類も含まれ、ビタミンC・B2・葉酸・βカロテン・ビタミンEがあります。その他に、フッ素、サポニン、γ-アミノ酪酸、ミネラル(カリウム・カルシウム・マンガン・リン)、クロロフィルがあります。
お茶がどうして健康にいいのか
お茶が体にもたらす効果は、主にポリフェノールと植物科学物質によるものとされています。これらがどうして体にいいのか、研究されてきた結果を下記に記してみました。
1. カテキンの力
緑茶に含まれるカテキンは、抗酸化物質があると言われます。このカテキンが、筋肉の持久力を向上させて、脂肪を燃焼させる能力を増大させるということが、研究の結果
でわかってきました。そのため、運動持久力を高めるたり、脂肪燃焼の働きがあるとされています。
2. フラボノイド効果
緑茶に含まれるフラボノイドが、血管の壁に働きかけ、血管をしなやかにし、血流をよくするのだとか。これにより、心臓発作の危険性を減らすことが期待できるといいます。傷ついた血管内の細胞も修復する働きがあるため、血栓を防ぐ効果があります。そのため、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを減らすことができるのです。
3. 抗酸化物質やビタミンの影響
お茶(特に緑茶)には、多くの抗酸化物質とビタミンが含まれています。これらにより、抗癌作用が期待できるということが、疫学的研究でわかってきました。お茶の中でも、やはり緑茶がその効果を発揮するようです。そして、食事中や食後に飲むことで、食べ物の中に含まれる発がん物質を希釈されるため、より効果が期待できるとのことです。緑茶より抹茶の方が食物繊維やビタミンEもより摂取できてよいそうです。また、癌が増殖する際にそれを助長させるフリージカルという物質があります。体がフリージカルと戦うとき、お茶がその手助けをするということも分かってきています。
4. アルツハイマー病や認知症パーキンソン病を予防
お茶に含まれるポリフェノールが、神経保護作用もしているということも分かってきました。これにより、脳の変性を伴うパーキンソン病やアルツハイマー病・認知症などを予防できるとされています。体内の有害物質を取り除くだけでなく、神経細胞を保護・修復する作用があるという素晴らしい働きをもっています。
5. 紫外線から保護
カテキンは、抗酸化作用だけでなく、紫外線が肌から入り込むのを阻害する効果もあるというのです。ビタミンAやCも含んでいるので、紫外線対策としての飲料として適切な飲み物と言えます。
6. 喫煙による害の減少
お茶やワインに含まれるフラボノイド、そしてカテキン。これらが、肺がんの発症リスクをかなり減らすという報告があります。
7. 糖尿病予防
烏龍茶は、糖の吸収を抑え、体脂肪を燃焼させる効果があります。肥満症と合併しやすい糖尿病に適しているといわれています。また、緑茶に含まれる水溶性多糖類(何消化性デキストリン)は、小腸からの糖の吸収のスピードを抑えて、食後の血糖上昇を抑制する働きがあります。茶カテキンも、食後の糖吸収を阻害する働きがあるため、血糖値の上昇を抑えるのに効果的と言えます。糖尿病予防に効果的なお茶は他にもあり、プーアル茶、菊芋茶、ヤーコン茶、紅茶などがあります。特に、菊芋茶に含まれるイヌリンという成分が、糖尿病の他にアトピーにも効果があると言われています。
8. 骨粗しょう症の予防に
プーアル茶や緑茶には、カルシウムを多く含むため、骨を作り、骨密度を高める作用があります。そのため、骨粗鬆症の予防に効果的と言われています。
9. 疲労を軽減
先に述べたように、カフェイン作用(脂肪をエネルギー源化)によって運動能力を向上させる効果があります。一方で、運動時に出る老廃物のアンモニアが高まりますが、お茶に含まれるアルギニンによってアンモニアの代謝を促進させてくれます。さらに、リラックス効果のあるテアニンによって、効果的に疲労を軽減すると推測されるそうです。
10.虫歯予防
虫歯は、ミュースタン菌が歯に付着(プラーク形成)し、それが作り出す酸によってエナメル質が溶けだすことで起こります。緑茶に含まれるカテキンは、ミュースタン菌の増殖を抑え、プラークの形成も抑えます。これにより、虫歯予防にも効果的だと言われています。
最後に
いかがでしょうか?これだけ多くの効果が期待でき、人の体に良い影響を与える成分が含まれるということが分かりましたよね。お茶独特の渋みや苦みが苦手だという方もいらっしゃいますが、抹茶の粉末を利用した料理やデザートなど、さまざまな形でトライしてみてもよいでしょう。お茶の持つ効果を感じ、美味しく頂いて、より健康の手助けとなれたらいいですね。