豊かな生活と充実した医療が発展したことにより、日本の平均寿命は長くなっています。しかし、逆に生活習慣病などが問題視されています。これらの背景から、いかに健康で長く生きていくかがカギとなっています。
定期的に病院で健康診断を受けることは大変重要なことです。それに加え、普段の日常生活で自分の体に耳を傾け、観察することが病気の早期発見と早期対応に大きな役割を果たします。
では、自分でどうやって異変に気付くのか、どうチェックすればいいのか。ぜひ、その方法や注意点などを知って健康維持のために活かしてみて下さい。
セルフメディケーションを知っていますか?
セルフメディケーションとは、‛自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること’と世界保健機関(WHO)は定義しています。
この、セルフメディケーションを行うことで、下記の効果が期待できるとされています。
・毎日の健康管理の習慣が身につく。
・医療や薬の知識が身につく。
・疾患により、医療機関で受診する手間と時間が省かれる。
・通院が減ることで、国民医療費の増加を防ぐ。
私たちが健康的に過ごすために、自己管理を行うことがとても大切です。自分の健康は自分で守ることを意識することで、積極的に自己健康管理に関わることができます。そして、正しい知識を身に付けることで、軽度の症状を自分で改善することができ、また、生活習慣病の予防や健康維持・促進に役立てることが可能となります。基本となるのは、バランスの取れた食事の摂取、良質で十分な睡眠時間の確保、適度な運動です。そして、メンタルヘルスを保ち、自然治癒力を高めることも必要です。
身体の不調を自分で手当てするには、どういったことを行えばよいのでしょう? たとえば、風邪をひいた時に風邪薬を内服する、小さな傷に絆創膏を貼る、疲れた時はビタミン剤を飲む、そういったことだそうです。この程度のものであれば、日常生活の中で自然と取り入れている人も多いのではないでしょうか?こういった対応は、自己の健康に配慮し、関心をもって管理している傾向があると言えます。ドラックストアや病院の薬局にいる薬剤師と連携をもち、知識を高めてさらに積極的に自己管理にあたっていける良いでしょう。
自宅でできるセルフチェック
普段の生活で自分と向き合い観察するために、どんな視点で見ていったらよいでしょう?そして、そのチェック項目は何を意味しているのでしょう?下記の点に注目して、生活習慣や自覚症状について観察してみましょう。
「身体」ウエストがきつくなった。間食が多い。シャツの首回りが窮屈。
「貧血」疲れやすい、けだるい。顔色が悪い。血が止まりにくい。
「肝臓」毎日お酒を飲む。体がだるく、強い疲れ。20歳の時より体重が10㎏増加した。
「血中脂質」糖分の多い食べ物が好き。揚げ物、油ものが好き。運動不足。
「糖尿病」家族・親族に糖尿病の人がいる。喉が渇く。体重が減少した。
「尿」顔がむくむ。尿色がいつもと違う。尿中に泡がたつ。
「胸部」喫煙する。息が切れる。咳が出る。
「血圧」立ちくらみがする。野菜・果物を好んで食べない。塩分の多いものが好き。
「心臓」動悸がする。脈が乱れる。胸の痛みを感じる。
これらの項目のうち、チェックがついた症状や習慣があれば「 」内のカテゴリーの項目に注意が必要だと考えられています。普段の生活で、この症状や習慣がある方は、ぜひ進んで検査を受けることをお勧めします。また、これらの症状が出現していないか、自分の体が変化していないかも、これらの点に注意して過ごしてみましょう。
もっと詳しく知りたいときに…
上記に示したものは、今問題となっている生活習慣病をもとにしていますが、このほかにももっと専門的に、詳細なチェックができるものもあります。たとえば、インターネットで「健康・体力づくり事業財団」の‛健康・体力アップ’の項目からは、14項目から自分の気になる項目を選択し、あてはまる項目にチェックを入れて‛診断する’をクリックすると簡単に今考えられる状態や必要なケアを見ることができます。喫煙をする方には‛ニコチン依存度’、運動に関して気になる方は‛新体力テスト’や‛必要な運動レベル診断’、‛ホームフィットネステスト’などもあります。他にも‛体力年齢診断7’‛転倒危険度チェックリスト’などさまざまな項目があります。ちょっと変わったものがあるので、興味を引かれた方はのぞいてみて下さい。今後の生活に役立つ診断を見ることができるかもしれません。
また、今は血液検査や遺伝子検査が自宅で簡単にできるキットまで販売されています。これも、インターネットで容易に注文し手に入れることができます。血液検査は、病院で行うような採血行為とは違って、指先などから小さな針を刺し一滴の血液で検査ができ、痛みもなく、衛生的に、だれでも簡単にできるというので大変うれしいことですね。忙しい現代人には手軽に検査ができるので大変便利だと言えます。また、遺伝子検査も自分の遺伝子を知ることで、今後罹りやすい疾患を知ることができます。これにより、その疾患を招く生活習慣や食事内容を集中的に見直すこともでき、予防や症状の早期発見につながり、健康維持に大きく役立ちます。
さいごに
高齢者社会となり、自分の健康をしっかり管理していくことが大変重要となっています。健康に対する意識を高め、社会で取り組まれている様々な事業や開発されているアイテムを大いに利用し、私たちの健康をより増進していきたいものです。