私たちは、さまざまな環境下で色々な人や状況に日々もまれ、多くのストレスにさらされています。現代社会において、ギスギスした生活が当たり前となり、ストレスに慣れてしまい、傷ついている自分に気づかない、鈍感になってしまっている人もいます。自分の体や心が悲鳴を上げていることに気づかないということは、状況をさらに悪化させてしまう原因にもなります。時には自分の心と体をゆっくり見つめて向き合うこと、耳を傾けることは、とても重要なことなのです。
しかし、自分を主観的に見ると気づかない部分も出てきます。今回は、他覚的に自分を見て、ストレスで傷ついた部分を知る手段として、チェックリストを紹介します。これを機に、気づかなかった自分を知る機会を作ってみましょう。
❙ストレスってな~に?!
そもそもストレスとは何なのでしょうか?普段何気なく言葉として使っていますが、皆さんは説明できますか?説明となるとなかなか難しいですよね。「ストレス」とは、外からの刺激を受けることで体に起こる反応のことです。そして、原因となる刺激を「ストレッサー」と言います。ストレッサーには、寒暖、騒音、細菌やウィルス、心理的・社会的なものなど多くの要因があげられます。
私たちが普段ストレスを感じても、時間が経てば少しずつ気持ちが落ち着いていきますよね?これは、「ホメオスタシス」という生体恒常性のおかげです。このホメオスタシスは、傷ついた身体が正常な状態に戻ろうと体が働きかけることをいいます。大変優れた働きですが、やはり異常な状態が強く、そして長く続くとこでうまく働かなくなってしまいます。そのため、健康な心身を維持できるようコントロールすることは大切と言えます。
しかし、そんな辛く苦しいストレスは、一体何のために感じるようにできているのでしょう?実は、ストレスを感じることには意味があります。たとえば、‛ある試験に合格しなければ、進学できない’といった状況下に置かれたとき、人は「不安」「焦り」「緊張」などといったストレスを感じます。このストレスがなければ、人は合格させるための「努力」や「自分を奮い立たせる」といった行動を起こさないでしょう。また、仕事を頑張り過ぎても、「疲労」というストレスを感じなければ休むことをせず、身体機能の低下や過労で体調を崩してしまうでしょう。私たちが体を怪我した時に「痛み」を感じるのは、それは体の防御反応の一つと言えます。けがをして痛みに気づかなければ、傷口から細菌が侵入しさらに化膿してしまいます。ストレスも同じで、精神的な痛みとして感じ、それ以上状況を悪化させない、または自分を高めるために作用していると言えます。
❙ストレスをチェックしてみよう!
自分では気づけない部分のストレスを、チェックリストを利用して確認してみましょう。下記のチェックリストで今のストレス度を知ることができます。参考にしてみて下さい。
簡易ストレスチェック(正確な診断は医療機関をご利用ください)
1 朝起きる時身体が重く辛い感じがありますか? : はい いいえ
2 眠れないことがよくありますか? : はい いいえ
3 眠りが浅いですか? : はい いいえ
4 手や脇などに汗をかきやすいですか? : はい いいえ
5 風邪をひきやすい・体調を崩しやすいですか? : はい いいえ
6 食欲のないことがありますか? : はい いいえ
7 疲れがとれませんか? はい いいえ
8 ちょっとしたことで疲れやすいですか? : はい いいえ
9 小さな物音や細かいことがやたらと気になりますか? : はい いいえ
10 肩や首・頭が凝りますか? : はい いいえ
11 胃腸の調子を崩しやすいですか? : はい いいえ
12 人と会うのが苦痛ですか? : はい いいえ
13 理由もなく不安になることがありますか? : はい いいえ
14 いつも何かに追われている気がしますか? : はい いいえ
15 グチが多いですか? : はい いいえ
16 異性に関心が持てませんか? : はい いいえ
17 理由もなく落ち着かなくなることがありますか? : はい いいえ
18 ちょっとしたことで気分が落ち込みやすいですか? : はい いいえ
19 無駄なことばかり考えてしまいますか? はい いいえ
20 何をしても楽しいと思えないことがありますか? : はい いいえ
21 人間関係が煩わしいと感じてしまいますか? : はい いいえ
22 自分が周囲の人からどう思われているかとても気になりますか? : はい いいえ
23 何もかもやめてしまいたくなりますか? : はい いいえ
24 よくイライラしますか? : はい いいえ
25 夢見が悪いですか? : はい いいえ
合計:
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■診断結果 はいの数を数えてください
・00~05点 :ストレスは少ないと思われます。
(チェック項目が少なくても症状の程度が重い場合は注意してください)
・06~10点 :ややストレスがありますが、これ以上溜めないように注意して下さい。
・11~15点 :ストレスがたまっているかもしれません。休息をとるなど早めの対処を心がけましょう。
・16~25点 :かなりストレスが溜まっている可能性があります。ご自身の実感としても不調を感じる場合や、仕事や生活に支障が出ている場合などは、早めに医療機関を受診することをおすすめいたします。監修 日本心理教育コンサルティング
キャリア・教育・メンタルサポート 日本心理教育コンサルティング
ストレスチェックテストより引用
http://cem-support.com/newpage10.html
❙ストレスをためないために…
ストレスは人間に必要なものですが、過剰なストレスは健康に深刻な状況を招きます。人によってストレスの感じ方やキャパシティは異なりますが、ため込んでしまい、自分のキャパシティを超えたとき、うつ病や心身症、神経症など、精神疾患に陥ってしまうこともあります。
では、どのようなことに注意していけばよいでしょう?先に挙げたチェックリストで自分の傾向を知ることはとても大切です。この傾向・パターンが分かれば、対処方法にも気を付けることができますね。
その他に、下記のような行動を意識しているのも手段としていくつか紹介していきます。
・リラクゼーションを取り入れる
湯船にゆっくりつかる、アロマを焚く、マッサージをする、ヨガやストレッチなど軽い活動をする、どんなことでもよいと思います。自分がリラックスできる環境と時間を作りましょう。深呼吸をして呼吸を落ち着かせること、筋肉の緊張をほぐすことなどは、自律神経を安定させ、精神のバランスを整えてくれます。
・趣味を持とう
好きなことに時間を費やし、普段の生活から離れた環境に身を置くことは、一時的にストレスからも引き離され解放されます。リフレッシュすることは、ストレスから意識をそらすことに効果的です。
・休息を取りましょう
忙しい現代人には難しいことですが、意識して休息を取るようにしましょう。特に睡眠はとても大切です。強い疲労・睡眠不足は、精神のバランスを不安定にさせます。規則正しい生活と睡眠の確保を心がけてください。また、仕事や勉強中でも、少し席を立つ、ストレッチをしてみる、水分を取る、目を閉じて無になるなどで休憩時間を取りましょう。できれば、1時間~2時間毎に行っていくことが効果的です。
・大声を出して笑いましょう
大声を出すとスッキリした経験はありませんか?カラオケなどで歌うことで、気分がすっきりします。また、笑うことは最も重要なことです。楽しくなくても空笑いだとしても、これは免疫を上げるのにもとっても効果的だと言われています。
最後に
いかがですか?私たちはストレスから逃れることはできません。これをうまく利用して、コントロースしていくことが、ストレスと付き合っていく上で最も効果的だと思います。ストレスをネガティブに捉えるのではなく、エネルギーに変えて付き合っていきましょう。